六君子湯(りっくんしとう;ツムラNo.43)は、『機能性消化管疾患診療ガイドライン2021』1)では、胃もたれなどの慢性的な上腹部症状を認める機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)に対して、推奨度 強・エビデンスレベル Aと記載があり、食欲不振や上部消化器症状に対して広く活用されています。六君子湯は漢方医学的には、第10~12回で解説した補中益気湯(ほちゅうえっきとう;ツムラNo.41)と同じく、目に見えない生体エネルギーである「気(き)」が量的に不足した「気虚(ききょ)」に対して用いる漢方薬です。また漢方では、胃がすっきりしない、胃が重苦しいと表現されるような症状を、上部消化管に「水(すい)」が停滞することで胃の働きが低下していると考えます。六君子湯は「気」を補う作用に加え、この上腹部の「水毒(すいどく)」を改善させる作用がある漢方薬です。
第19回 六君子湯(ホップ編)―六君子湯は気を補い、水を巡らせて胃の働きをよくする漢方薬
吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)
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