十全大補湯(じゅうぜんたいほとう;ツムラNo.48)は、気虚(ききょ)に対する四君子湯〔しくんしとう;ツムラNo.75/人参(にんじん)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)〕と、血虚(けっきょ)に対する四物湯〔しもつとう;ツムラNo.71/当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、芍薬(しゃくやく)、地黄(じおう)〕に桂皮(けいひ)と黄耆(おうぎ)が加わって構成されます(図)。
基礎研究では、マクロファージの活性化作用、抗体産生増強作用、細胞性免疫賦活作用など多彩な作用1)により生体機能を回復させ免疫能を高める作用があり、抗癌剤による骨髄抑制の改善効果2)、結腸癌の肝転移の抑制効果3)、老化促進マウスに対する筋萎縮抑制効果4)などが明らかになっています。また、十全大補湯は『小児急性中耳炎診療ガイドライン2024年版』において、小児反復性中耳炎に対する再発抑制効果(推奨の強さ:推奨、エビデンスの質:B)が記載されています5)。


