
執筆:長澤 将(東北大学病院 腎臓・高血圧内科)
書籍『Dr.長澤印 輸液・水電解質ドリル』の架空症例※1を用いてChatGPTと対決してみようという本連載も、今回で3回目になります。
簡単に振り返ると、第1回でプロンプトを検討した結果、GPT-5はかなり賢いことがわかりましたが、第2回の回答で人間の強みも見えてきたように思います。
では、今回は「Case5 20年以上の高血圧加療歴があり低K血症の60歳代男性」を題材にして、ChatGPT※2の回答を見ていくことにしましょう。第1回のプロンプト検討結果から、今回もプロンプト➋「ペルソナを与える」を用いています。
※1この本では架空の20症例を作成し、各症例に2~3題の臨床問題をつけて「ドリル」の体裁にしています。
※2今回も2025年8月7日にOpenAI社により公開され、無料アカウントでも制限付きで利用できる「GPT-5」を用いています。GPT-5の回答を見る前に、ぜひ皆さんもご自身で回答を考えてみてください。
【症例の情報・問題】
60代前半、男性
現病歴:22年前から高血圧症で近医にて加療中であった。2年前の健診までは尿タンパク(-)であったが、1年前の健診で尿タンパク(+)を指摘、最近近医で尿タンパク 1.27 g/gCrであり紹介となった。Cr 1.27 mg/dLであり、腎生検目的に入院となった。
身体所見:172 cm、72 kg。血圧 141/82 mmHg、心拍数 59回/分・整、体温 36.3 ℃。JCS 1。
心雑音を認めない。肺雑音を認めない。軽度の下腿浮腫を認める。
生活歴:飲酒歴;ビール 1,000~1,500 mL/日。喫煙歴;現在 10本×42年。
家族歴:特記事項なし
既往歴:22年前から高血圧症。17年前に痔瘻の手術。15年前に脂質異常症の加療開始。
内服薬:アダラートCR 40 mg、ビソプロロール 5 mg、クレストール 5 mg、ネキシウム 20 mg、テルミサルタン 40 mg
血液検査:Na 145 mEq/L、Cl 107 mEq/L、K 3.4 mEq/L、Cr 1.27 mg/dL、UA 5.8 mg/dL、BUN 22 mg/dL、Alb 3.8 g/dL、Hb 13.1 g/dL、HbA1c 5.8%
画像検査:心胸比(CTR)48%
Q1 この患者の腎生検で想定されうる結果をすべて選べ。
➊糖尿病性腎症
➋膜性腎症
➌腎硬化症
➍IgA腎症
Q2 この患者の背景疾患を確定するためにまず行うべき検査はどれか?
➊アルドステロン・レニン比
➋生理食塩水負荷試験
➌カプトプリル負荷試験
➍副腎静脈サンプリング
➎腹部CT
ではこの症例をChatGPTに投げてみましょう。
【プロンプト➋ペルソナを与える】