【第21回】エラー症例5 左肩痛ケース
3)認知バイアスとシステム要因の交錯(坂口公太)

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執筆:坂口公太(島根大学医学部附属病院 総合診療医センター)

診断エラーの背後には、認知バイアスが深く関与している。突然の左肩痛で救急搬送された66歳男性の本Caseでは、初期診断で急性冠症候群が疑われたが、患者の経過とともに異なる病態が明らかになっていった。なぜ、初期診断に固執し、診断修正が遅れたのか。今回は、「認知バイアス」が診断過程にどのように影響を及ぼすのか、また、それを助長する「システム要因」について深掘りする。

 

■研修医Aと指導医Bの振り返り対話:診断確定の翌日

 患者の診断が確定した翌日、研修医Aと指導医Bが朝のカンファレンスルームで症例の振り返りを行っている。

 

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