第49回 デザインシンキング
―「抜本的に改善したい」と思ったときの仕事術

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天野 雅之(南奈良総合医療センター総合診療科)


 【状況】院長から症例カンファレンスの改革を任された杏奈となぎさ。「観察から始めよう」と飛鳥に促されたものの,どこから手をつけるべきか戸惑っていた。

 

杏奈)飛鳥先生! 病院実習に来てくれた医学生から「カンファレンスの症例が難しい,先生方が威圧的で怖かった」と言われた件,まずは「観察から」と教えていただきましたが…そもそも,どう改革を進めればいいんでしょうか?

なぎさ)私も悩んでいました。何をどう進めればいいのか,全体の流れが見えなくて…。

飛鳥)では,複雑で正解の見えない問題に取り組むときの作法,「デザインシンキング(design thinking)」を紹介しよう。

 

■サクッと解説!今週の仕事術 


デザインシンキングの5ステップ 

飛鳥)デザインシンキングは,製品やサービスの開発や改善といった「正解の見えない課題」に取り組むとき、利用者(ユーザー)の視点から問題を捉え直し,小さな試作と検証を繰り返す問題解決法だ1)。最初から解決策に飛びつかず,ユーザーの体験を観察するところから始めることが重要とされている。初学者にはスタンフォード大学のd.schoolが提案するフレームワークが使いやすいと思うので紹介するね2)

 

①Empathize(共感):ユーザーを観察し,声を聞く
②Define(問題設定):本当に解くべき課題を絞り込む
③Ideate(発想):多様な解決策を出す
④Prototype(試作):小さく形にする
⑤Test(検証):反応を見て改善する

 

なぎさ)要するに,正解を当てに行くというより,「正解を一緒に作っていく」プロセスなのですね。

飛鳥)まさにその通り。

杏奈)これって,不確実性が「高い」ときの行動や,総合診療医の仕事で学んだことと似ていますね!

飛鳥)複雑で正解が見えない状況は,まさに「不確実性が高い状況」だから,これらの考えかたとデザインシンキングは親和性が高いね。

 

■さっそく実演!


カンファレンス改革に当てはめる

飛鳥)実際にカンファレンス改革に取り組む前に,思考実験として5ステップを当てはめてみよう。カンファレンスを製品だと考えて、改善策を5ステップで考えていこう。

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