第82回 グラム陰性桿菌による持続菌血症で考えたいこと

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京科学大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:持続菌血症,黄色ブドウ球菌,カンジダ,グラム陰性桿菌,ドレナージ

 

Q. 大腸菌による持続菌血症への対応を教えてください!

A. 感受性のある抗菌薬を十分量投与していても菌血症が続く場合は,腹腔内膿瘍などのドレナージ可能な感染巣がないかを確認してみましょう。感染性心内膜炎などを合併していないかも確認するとよいでしょう。

 

血液培養検査が繰り返し陽性になる状況を持続菌血症と呼びます注1。これまでの連載で黄色ブドウ球菌菌血症(第72回),カンジダ血症(第73回),感染性心内膜炎(第80回第81回)などを扱ってきましたが,これらは持続菌血症を起こしやすい疾患としてよく知られています。逆に言えば,持続菌血症の患者をみた場合にはこれらの病態に該当しないかを考えるわけですが,実臨床では他の原因によって持続菌血症が生じていることもしばしばあります。今回は特にグラム陰性桿菌による持続菌血症についてまとめていきます。 

 

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