執筆:湧川 朝雅(那覇市立病院 総合診療科)
第47回で紹介受診した高齢女性はステント留置中の大腸癌(S状結腸癌)と考えられていたが、第48回で実は腸結核、結核性腹膜炎であったことがわかった。前回、卒後4年目専攻医Aと指導医Bはその診断エラーについて、システム要因・診断プロセス・認知バイアスとともに振り返ってきた。本症例は、紹介状にBSC(Best Supportive Care)と記載があり、家族はきつい検査や治療は希望しないとのことであった。最終回の今回では、BSCや陰性感情がどのように診断エラーに影響するかを考え、その対策を探る。
■総括的振り返り❸―BSCという言葉
専攻医A 前回の振り返りで、認知バイアスやシステム要因、診断プロセスが診断エラーに関与していたことはよくわかりました。でも、今回の症例にはもっと「見えにくい要因」があった気がします。